銅之薬缶。
やかんはそうそう潰れないものだと思う。
火にかけっぱで空焚きになって、あぁ、もうどうにもしようがないな…と諦めるくらいしか、今のところは思いつかない。
だから、やかんを買うときにはそれはそれは吟味して、やっと、これだと思っても、その値段に躊躇して、なかなか手にできなかったのだ。
でも、手に入れてみたら、あまりにもピカピカで私にはあまりにも分不相応に感じたから、一刻も早く年季を感じる風情にしようと頑張った。
私の頑張りは拭かないこと。
ただ、それだけ。
やかんの口から出続ける湯気にさえ、うっとりする。
拭きもしない、磨くなんてもってのほかだけれど、私の方法で末長く大事にする。
銅之薬缶:東屋